メディアリテラシーを身につける8つの方法「窓をひろげて考えよう」下村健一さん

   2019/10/09

「窓をひろげて考えてみよう」の絵本の写真

こんにちわ店長の遠藤です。

毎年、秋を感じ始める頃、「なんだか本が読みたくなる」そんな気持ちになることがあります。そんな私がこの秋に出会った1冊が「窓をひろげて考えよう」です。

この本は元TBS報道アナウンサーだった下村健一さんが子どもたちに向けて「メディアリテラシーとは何か?」を描いた子供向けの絵本です。

メディアリテラシーとは何か

ラジオで視聴していました。その時のラジオの写真です。

私がこの本と出合ったのは元NHKアナウンサーでジャーナリストの堀潤さんが担当するラジオ番組で下村健一さんのお話し、そしてこの「窓をひろげて考えよう」の話をされていたのを偶然耳にしたことがきっかけでした。

「窓をひろげて考えよう」の中で子どもたちに向けて下村さんは「メディアから流れ込む情報を自分の頭の中でしっかり受け止める力」のことをメディアリテラシーであると語っています。

見たり、聞いたりした情報が正しいのか?安易に情報をう鵜呑みにして受け取らない事、鵜呑みにした情報を周囲に流さない。情報に振り回されない、その為のコツを8つのポイントで分かりやすく解いています。

報道アナウンサーだった頃、実際に経験していない事、外側から見たり聞いたりしたことを伝える難しさを痛感したそうです。

彼は、情報を伝える時にどの角度で見て、どう捉えて、それを広げて、深めて、察するか、その為に必要なのは「想像力」だったと語っています。

歪んだ情報をみている子どもたち。

情報があふれるこの現代社会において、見聞きした情報を自分の狭い見方でゆがめて受け取ることの怖さ、ゆがめて受け取った情報をそのまま広げてしまうことの危うさを説いています。

私たちの時代では考えられなかったことですが今は、小学生からスマホを持ち歩き、インターネットの情報社会に触れている子どもたちにとって「メディアリテラシー」は、非常に大切な教育の1つではないでしょうか。

そして正しい情報の見方を教示しなくてはいけないという下村さんの熱い思いから生まれた1冊でもあります。

メディアリテラシーを考える時に必要な8つの問いかけ

情報を小さな窓から見ている姿の写真です。

私たちが色々な情報に触れる時、耳や眼から入ってくるのは「小さな窓」から少しだけ垣間見えている状態の情報です。

情報に触れる時にはいつでも「まだわからないよね?」「他の見え方もあるかな?」「見えてない隠れているものはないかな?」と自分自身に語り掛けてみましょう。

立場を変えてみたら、まだわからないよね?

立場を変えた視点で情報を眺めている姿の写真です。

立場を変えてみたら?どうだろう。「自分の立場からの見た物事」だけでないことに気づこう。

一つの切り口、今見えている部分は事実だ、しかし違った視点、もしくは反対の立場で物事を見てみると、他の見方もあるのかという発見があり、偏った立場で物事を見ない訓練になります。

情報の順番を変えてみたら、まだわからないよね?

順番が変わると情報の意味も変わってしまうことを象徴する写真です。

情報は伝える順番によって印象が変わってしまう。

「おいしいお肉(だけど、)値段が高いんだよね~」と言うのと「値段が高い(だけど、)おいしいお肉なんだよ~」では、同じことを言ってるんだけどなんとなく印象が変わってしまう。

物事を捉える時ある1つのイメージに偏り過ぎていないかそんなことも考えてみるといいだろう。

情報源を変えてみたら、まだわからないよね?

違う情報源を探す姿の写真です。

1つの情報の出どころだけで信用しない事。別の情報源を自分で探す習慣を身につけよう。

SNSやインターネットの世界には悪意の「イタズラ」や「ウソ」も紛れ込んでいる。そんなデマを信じたり、人に広めたりするのを防ぐための訓練になります。

瞬間を変えてみたら、まだわからないよね?

切り取られた一部の情報しか掲載されていない記事の写真です。

切り取られた一瞬の写真や動画がすべてだと受け取らない様にしよう。

写真や動画は切り取られたほんの一瞬が載っているもの、和やかにインタビューをしてくれた人の写真が、たまたま、まばたきをした瞬間の目が半分閉じてしまった写真を掲載したとしたら「眠そうでやる気のない人」に見えてしまう。

その瞬間が全てだと思わないこと、切り取られた他の瞬間は違って見えるということも覚えておこう。

選ばれた部分、だけじゃまだわからないよね?

色々な角度から情報見てみようと言っている写真です。

流れている情報で言っていることは全部だと思ってはいけない。

小窓から見たらその情報だけかもしれないけれどもう少し、大きな窓枠で広げてみてみると違う情報が見えてくる。

と言うことを2015年の韓国で現れた「MERS」(マーズ)と言う伝染病を例に取り上げて説明しています。

目先の様子、だけじゃまだわからないよね?

観測衛星「いぶき」が調べたCO₂(二酸化炭素)の観測データー表の写真です。

目先の小さな変化だけに気をとられてはいけない。

ここでは、観測衛星「いぶき」が調べたCO₂(二酸化炭素)のデーターを例にとり最近1年のデーターだけを切り取った変化とそれ以前のデーターも合わせてみた時の見え方の違いを例に取り上げて、説明しています。

いい話、だけじゃまだわからないよね?

他の話にも耳を傾けようと言っている写真です。

いい話の中に、「その他の話」ははいっていません。いい話以外のその他の話もあるはずと言うことをいつでも頭の片隅に留めておこう。

ここでは宝くじ売り場を例にとり見落としがちなことを小窓の一角ではなく、大枠の窓で覗いてみることの必要性を説明しています。

みんなが言っている!だけじゃまだわからないよね?

話に違う側面はないのかを教えている写真です。

みんなが言っていることだからと決めつけることの危うさを世間を騒がせた1994年「松本サリン事件」を例にとり「その他の可能性はないのかな?」と想像することの大切さを説いています。

私たち情報を受け取る側は、違った見え方があるかもしれないとここにあげた8つの問いかけをヒントに自分の頭で考えてみる=「想像力」。

その想像力を使って情報を見てみると今感じたことと違った見方、考え方が出てくるのです、ということが可愛らしいイラストとともに描かれています。

想像力を鍛えて、情報社会の現代を生き抜く力をつける

色々な情報メディアの利用できるsmartphone です。

他者への想像力

他者への想像力があればSNSでの誹謗中傷も防げるのではないだろうか、多くの小中高生たちもまた、このSNSでの誹謗中傷に心悩まされている現代でもあります。

情報への想像力

情報への想像力があれば不確かな情報に踊らされたり、自分が発信したりして炎上に巻き込まれたりしないのではないだろうか。

未来への想像力

未来への想像力があれば今少しつらい現実があったとしても自分の想像した未来に向かって、目標を見つけて前進していけるのではないだろうか。

情報があふれ出る写真です。

知識を受け取る(教わる)だけの教育スタイルが主流の日本の教育にアクティブ・ラーニング(自分たちで考えたり発表したりする勉強スタイル)を取り入れることの大切さも同時に伝えている。

情報があふれているからこそ多くのストレスが見え隠れしてしまう現代の子どもたちの社会。

言われたことしかできない、考える(想像力)ことができないでいると困難な問題に直面した時にそこで息詰まってしまい、本当は輝かしい未来があるのにその未来に歩いていけない。そんな子供たちもまた、増えているのではないだろうか。

想像力でメディアリテラシーを身につけていくことは、正しい情報を見分けていくことはもちろんであるが、今とはまた違う未来もあるのだということを想像できる力をつけていくことに他ならないのではないだろうか。

私は、この絵本を読みながらそう感じました。

「窓をひろげて考えよう」下村健一さんの思い

亡くなられた、みわさんの似顔絵です。

「窓をひろげて考えよう」は、彼の教え子であり、NHK記者で過労死をした佐戸未和さんへの追悼の意を込めた作品でもあります。

2017年10月4日付の朝日新聞デジタル版で佐戸さんの過労死の問題が取り上げてられていました。

2000年12月から2003年3月までBS衛星チャンネルで全国向けに生放送されていた、学生ラジオ『BSアカデミア』。

その番組の中のニュースコーナーのコーチ役を担当していたのが下村さん、そしてその番組に当時、大学生で参加していたのが佐戸さんでした。

毎晩15分間生放送のニュース番組を流していたそうです。

佐戸さんは、学生記者として下村さんの教える「想像力」を駆使してニュース制作メンバーとし体当たり取材やインタビューを全力で走り回っていたそうです。

みわさんは、ニュースの世界で働いていました。ニュースを象徴する写真です。

やがて卒業してもニュースの仕事がしたいとテレビ局の記者になりました。
それから9年目のある日彼女は過労死でこの世を去ってしまいました。

素晴らしい記者に育っていった矢先の出来事。ご家族からこの事実を知らされ下村さんはとても悲しくつらかったとお話しされていました。

メディアで伝える時には「小さな窓を大きな窓で広げてみたらこんな風に見える。」学生時代に下村さんから教わった「想像力」佐戸さんが大切にしていた事。

そんなかつての教え子である彼女の成長が下村さんさんはとても楽しみだった。

情報をキャッチする事、発信する事の大切さを佐戸さんを思い描きながら、この本は制作され、彼女の命日である7月に出版されたのだそうです。

まとめ

子供向けに書かれていますが大人の私たちこそが読むべき1冊でもあるのではないでしょうか?

私も少なからず情報を発信する側におり、下村さんが教える「メディアリテラシー」の大切さを改めて感じたこと、志半ばで天国に召された佐戸未和さんの大切にしていた「下村スピリッツ」でキャッチ&発信ができるよう努力したいと思いました。

今の時代に生きる、大人も子どももLINE、ツイッター、インスタグラム、フェイスブックとSNSを使用し、外の世界の情報を受け取りそして発信している。

そんな時代だからこそ知っておき、身につけておきたいメディアリテラシー。とても解りやすく、丁寧に8つのポイントを抑えながら説明している絵本です。

小中学校の授業の一環として加えて欲しい。もしも、小・中・高校生のお子さんをお持ちでしたらぜひ、「ご家庭で一緒に読んでもらいたい」そんな一冊になっています。


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